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【マンスリーセレクト4月】4月14日(土)『もうひとりの息子』

母さん、僕は「敵」ですか?「息子ですか?」

毎月プロジェクトメンバー厳選の映画作品をお届けしている、シネマ・デ・アエル マンスリーセレクト。4月の作品は、第25回東京国際映画祭グランプリ&最優秀監督賞受賞した2013年のフランス映画『もうひとりの息子』をお送りします。

湾岸戦争のさなか、テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族に訪れた、病院での赤ん坊の取り違えという悲劇、あろうことか取り違えられたのは“壁”で隔てられたイスラエルとパレスチナの子だった・・・。家族愛とアイデンティティの狭間で揺れるそれぞれの想い、普遍的な親子の愛情・人間愛がテーマの物語です。

ぜひシネマ・デ・アエルでご覧下さい!

好評の特設カフェ「カフェ・デ・アエル」も営業します。

⭐️ココが見どころ!

映画は既視感によって主人公らへの共感が生まれ感動する事がありますが、この作品は共感というより、「もし自分だったら…」と自分に置き換える、”猛烈感情移入映画”だと思います。本作が公開されたあたりは邦画でも赤ちゃん取り違えを扱った映画がありました。「そして父になる」では、取り違えを知った親が、「育てた子」か「血のつながった子」かどちらが自分の子どもなのかという葛藤。「ポテチ」という作品では、親は知らないが、自分は違う親の子だという事を知った青年が、果たして自分が子で良かったのだろうか?(もう1人はプロ野球のヒーロー)という葛藤。もし自分の子が…もし自分の親が…と、どちらの立場からも感情移入してしまいます。さらに問題を難しくしているのは、取り違えが起きたのはユダヤ人とアラブ人の間という事。歴史的にも根深く対立し、お互い「敵」だと思っている民族の子なのです。家族にとってとんでもない大きな問題と危機ではあるんですが、お互いの家族を知っていくうちに、どちらも愛情を込めて息子を育んできたことがわかり、気持ちが少しずつ変わっていきます。国と国では敵同士と争っていても、そこに生きる人々は「個々の人間」お互い尊重しあえるんです(そうはいかないのが難しいところでしょうが…)。人間は優しく、何より母の愛は深しなのです。

フランスの女性監督ロレーヌさんは「この映画を作ることで私が示したかったのは、相手の立場に立って考えられたら、凝り固まっていた精神が少し動き開くのではということ」と答えています。世界情勢は詳しくなくとも、普遍的な親子愛・人間愛がテーマの物語ですのでぜひご覧下さい。  (プロジェクトメンバー 櫛桁 一則)

【「もうひとりの息子」上映会】

上映日:4/14(土) ①10:30 ②14:00※各回定員40名

会場:シネマ・デ・アエル(宮古市本町2-2 東屋駐車場内「蔵」)

料金:一般1200円 ※中学生以下無料

主催:シネマ・デ・アエル

プロジェクト共催:文化なしごと人コンソーシアム、三陸みらいシネマパートナーズ、みやこ映画生協

後援:宮古市、宮古市教育委員会

原題:LE FILS DE L'AUTRE 監督:ロレーヌ・レヴィ 出演:エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク 、マハディ・ザハビ (2013年/フランス/101min)

コピーライト (C)Rapsodie Production/ Cite Films/ France 3 Cinema/ Madeleine Films/ SoLo Films Introduction テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。ある日、18歳になった息子が兵役検査を受ける。そして残酷にも、その結果が証明したのは、息子が実の子ではないという信じ難い事実。18年前、湾岸戦争の混乱の中、出生時の病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。やがてその事実が相手側の家族に伝えられ、2つの家族は、それが“壁”で隔てられたイスラエルとパレスチナの子の取り違えだったと知る…。アイデンティティを揺さぶられ、家族とは何か、愛情とは何か、という問いに直面する2つの家族。はたして、彼らは最後にどんな選択をするのだろう。(公式サイトより)

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